「お祖母様 尊厳死を希望していて。その意思表示を していたんだ。」
それは 翔君が 家族にも明かさずに 守り通した お祖母様との約束。
葬儀の後 翔君から その話しを聞いた家族は みんな 声を上げて泣いた。
「機械に 繋がっていても 眠っているだけでも 生きていてほしかったのに。」
という 伯母様の言葉は 家族みんなの 思いだった。
でも、翔君は 静かに 首を振り、
「お祖母様は 意思表示も できないままでは 生きていたくなかったんだよ。」
と小さく言った。
「お袋らしいよ。最後まで。」
と言う伯父様の言葉に また みんなは 涙を流す。