秋は、嬉しい事と悲しい事が 一度にやって来た。
恭子ちゃんが 新しい命を宿した。
出産は 翌年の初夏らしい。
みんなが 喜び 恭子ちゃんは 柔らかな笑顔で みんなの思いやりを 受止めていた。
「樹が 心配性で。恭子ちゃんを 車椅子にでも乗せるほど 労わっているよ。」
絵里加のパパの言葉に みんなが 笑ってしまう。
「タッ君 恭子ちゃんに メロメロだもの。」
と笑う 絵里加のママ。
「妊娠は 病気じゃないんだから。あまり 大事にし過ぎると 難産になるよって言ったら ギョッとしてさ。」
と絵里加のパパは 声を出して笑う。
「恭子ちゃん つわりも軽いし。タッ君の いない所では 普通にしているわ。」
と絵里加のママが言う。