「名前、決まった?」

由希は 興味津々で聞くと、
 

「うん。“淳子” にするつもり。ケンケンのお父様に いくつか 候補をだしてもらったの。その中で 絵里加は “ 淳子 ” が 一番気に入っているの。」

と絵里加は言う。
 


「いい名前。可愛いし ゆうちゃんとじゅんちゃん。すごく素敵。」

興奮する由希に、
 


「でしょう。」

と絵里加は 得意気に笑う。
 

「退院したら しばらく 松濤にいるんでしょう。楽しみ。」

と由希が言うと 絵里加は 温かい笑顔を向けてくれた。
 

「パパが 結ちゃんの時の ベッド 用意したからって 張り切っていたわ。」
 

「私が 絵里ちゃんの部屋 使っているから。ごめんね。」

由希は はっとして言う。
 

「やだ そんなこと 気にしないで。結ちゃんと淳ちゃんがいるから。和室じゃないと 無理だもの。」

と大きく手を振って 言った後、
 


「それに どうせケンケンも 泊まりにくるから。」

と照れた笑顔を見せた。


出産後で ノーメイクで 入院中なのに 絵里加は美しい。


二人を出産した自信が さらに美しさを 増していた。