不思議すぎる体験に混乱している内に、次の授業が始まった。
「…馬鹿みたい」
結局、あの夢はよく分からないけれど夢だったんだと結論づけて、考えるのをやめた。
今は、昨日と同じベッドで、昨日と同じ寝相で、昨日と同じ近所迷惑な夫婦喧嘩を子守唄にしている。
馬鹿みたいという言葉も、昨日言った気がする。
全てがあほらしくなった瞬間、私は眠りに落ちていた。
「んっ……」
朝日の眩しさに目を開けると、そこには、見慣れない天井があった。
硬くて、冷たい床の温度が少し伝わってくる布団と、動きにくい寝間着。
私はばっと起き上がった。
頭を掻きながら辺りを見渡すと、障子と畳と、綺麗に畳まれた布団が隣にあった。
「どこ……?ここ」
昨日の夜は確かに私の部屋で寝たはず。
なんでこんな所にいるんだろう?