ワタシの手より一回り大きなその手がワタシの顔まで伸びてきて……。
——ベシッ!
デコピンというものをされ、痛みでおでこを抑える。
「いった…。何するんですかっ!」
あ…。反抗して、しまった…。
「そうそう。別にたまにはそんなふうに怒ったっていいんじゃねーの」
そう言ってニシシと笑う伊織様は、まさに男の子って感じで…。
なぜか、心臓がドキドキと騒ぎだした。
不器用だけど、彼の優しさがこっちにまで伝わってきた。
「そこまで言うなら…。これからはどんどん反抗していきます」
そんなふうに笑顔で言ったら、なぜか目をそらして…。