「貴女たちは、いい大学に行って、いい会社に就職するのです。」

「バイトは禁止です。今のちっぽけなお金のために

 貴女たちの将来をぼうにふってはいけません。

 先輩にそうして辞めて行った人が居ますが、そのような人は本当に馬鹿です。」

「恋愛も禁止です。そんなことにうつつを抜かしては勉強に集中できません。」

「携帯は持っていてはいけません。契約自体してはいけません。」

と、良く言われていた。



それを聞いて、私たちは暗示にかかっていた。


「将来のために」

「未来の自分のために」

親や学校の教師、塾の教師の催眠のような言葉を聞き続けて、

そのためにずっと頑張った。

勉強、勉強、勉強。

きちんとした「夢」や未来ヴィジョンはなく、

そんな漠然とした先の時間のために頑張ってきた。