「どう見たって不釣り合いですよ」

「では、俺に釣り合う女性というのはどういう女性だ?」

少し意地悪な気持ちになってそう返してみる。

「礼さんにふさわしい人?それは……」

都はしばらく「うーん」と口を尖らせて考えていた。

「礼さんはビジネスの世界では今や誰も太刀打ちできないくらいのすごい人だけれど、仕事を離れるととても気難しいし、わかりにくいし、強引だし、勝手だし……」

「何が言いたい?」

俺に対して好きなこと言っている都を愉快に感じながらも、軽くにらんでみる。

「ひょっとしたら、私みたいに逆にあなたを振り回すような能天気マイペース人間が合ってるのかもしれませんね」

「結局のところはそれか?」

彼女も自分で言っておきながら、吹き出してケラケラと笑い出した。

「きっと誰が見ても不釣り合いだけど……私もあなたが他の誰かと、だなんて想像しただけで泣けてきます」

ふっと真顔になった彼女の大きな瞳に吸い込まれそうになる。

「お前は最高だよ」

彼女の頬にそっと手を当てると、そのままベッドにゆっくりと押し倒す。

「都が俺にもっと夢中になってくれるよう今夜もたっぷり愛してやる」

未だにそういう言葉に慣れず真っ赤になる都の小さな唇に自分の唇を重ねる。

ベルギーの夜は長い。

窓から洩れる月明かりが彼女の白い体に揺らめいていた。


俺は誰よりも幸せだ。

彼女といると、何の心配もない清らかで穏やかな愛に包まれる。

これからも、例えこの先にどんなことがあったとしても、彼女を守り生きていく。

愛している……都。

永久に……。


END

皆さんにもたくさん幸せが降り注ぎますように☆
最後までお読み頂きありがとうございました。