不安だった俺の心配をよそに、都は目をキラキラさせながら一生懸命俺の話を聞いていた。

そして、全て話し終わった後には母のことを気にかけさえする。

当時仕方がないとはいえ、俺たち子供を置いてほとんど家にいなかった母のことを認めてくれたのだろうか。

正直、そんな反応を示してくれた彼女は意外だったし、胸の奥が熱くなった。

俺の全てを受け入れてくれたような安堵感とでもいうのだろうか。

都のために誰も俺に太刀打ちできないくらいにもっと働き、会社を大きくしたい。

そして、彼女が自分のしたい仕事を安心して思う存分できる環境を作ってやりたい。

甘やかしすぎか?

都にばかり気を取られているとそれこそ足元をとられるぞ。

自嘲気味に笑うと、彼女の柔らかい頬に唇をそっと当てる。

守りたいもの。

会社以外にもう一つ、俺の使命が増えたと感じた。