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「───だから、高校生になって隣の席になった人と、今後こそ逃げないで仲良くなりたいなって思ったの」
過去を打ち明ける私の声に、葉月くんはただ静かに耳を傾けてくれていた。
「でも、本当は声をかけた時、少し緊張したけど……」
チラっと目を移すと、息を吐いた葉月くんがベットの縁に肘を乗せ、頬杖をついた。
「なんで俺に話してくれたの?女子ならなおさら、そういう話しって知られたくないもんじゃないの?」
もちろん知られたくないし、自分から誰かに話すことなんてずっとないと思ってた。
「それは……私が葉月くんの秘密に迫ってるのに、そのきっかけっていうか……そういうこと話さないままでいるのは、フェアじゃないと思うから」
自分のことは隠して、葉月くんのことは探るなんて。
ちょっとズルい気がするし……。
「あ、でも……もし、迷惑だったり、困らせてたら言ってね?それから、気持ち悪い……とか思ったらすぐ言ってくれていいから……」