声掛けに反応して立ち上がったが、突然現れたのは一颯さんだった。缶のカフェオレを私の目の前に差し出し、自分は缶のブラックコーヒーを空けて隣の椅子に座った。
「一人でチェックしてるって高見沢に聞いた。それから人手が足りないから、今度の婚礼はお前と中里にもヘルプを頼みたいと星野が言ってたぞ」
「はい、出来る限りは何でも頑張ります」
「お前、やる気はあるんだけどな、どこか空回りしていて評価Bに近いけど…。まぁ、可愛いから許す」
「あー!モラハラって言うんですよ、そーゆーの」
一颯さんの冗談はシレッとしているけれど、図星過ぎてキツイ。私がシュンとして拗ねていると…「冗談だよ」と言って、頭を優しく撫でられる。
「……コレもセクハラ?」
「い、言いませんよ、別に…」
「ふうん?」
頭からパッと手を離して笑っている。職場ではあまり笑わないから、たまに見せる笑顔は反則だ。
すれ違っても『お疲れ様』の挨拶しかしない。私達の事情を知らない他の誰かが居る前では必要以外の話はしない。一颯さんは一人で作業している時に顔を出してくれる時があり、そんな場面に今だにドキドキしている。婚約指輪も頂いたのに、いずれは旦那様になるのに……一颯さんの行動や言動に一喜一憂してしまう。
「一人でチェックしてるって高見沢に聞いた。それから人手が足りないから、今度の婚礼はお前と中里にもヘルプを頼みたいと星野が言ってたぞ」
「はい、出来る限りは何でも頑張ります」
「お前、やる気はあるんだけどな、どこか空回りしていて評価Bに近いけど…。まぁ、可愛いから許す」
「あー!モラハラって言うんですよ、そーゆーの」
一颯さんの冗談はシレッとしているけれど、図星過ぎてキツイ。私がシュンとして拗ねていると…「冗談だよ」と言って、頭を優しく撫でられる。
「……コレもセクハラ?」
「い、言いませんよ、別に…」
「ふうん?」
頭からパッと手を離して笑っている。職場ではあまり笑わないから、たまに見せる笑顔は反則だ。
すれ違っても『お疲れ様』の挨拶しかしない。私達の事情を知らない他の誰かが居る前では必要以外の話はしない。一颯さんは一人で作業している時に顔を出してくれる時があり、そんな場面に今だにドキドキしている。婚約指輪も頂いたのに、いずれは旦那様になるのに……一颯さんの行動や言動に一喜一憂してしまう。