待ち合わせ場所のマンションの駐車場に全力で向かう途中で、一颯さんの車に拾ってもらった。私の乱れた姿を見た瞬間に笑う。久しぶりに走ったから、息切れもしている。情けない。サイドミラーで自分自身を確認すると、ネックレスの飾りのハート部分がクルリと半回転して後ろ側に向いてしまっている。せっかくセットしてきた髪も化粧も台無しだ。
「……今日は会議が入ってしまったから、休めなくてごめんな」
「そんな事ないです!私の為に早番にして貰ったりとか色々と根回しして頂き有難う御座います!一颯さんは半休は使えなかったんですね。忙しいですもんね…。明日は休めるのですか?」
「副支配人にお願いして帰ろうと思ってたんだが、役員が来てたからなかなか上がれなかっただけだ。明日は全て任せてきたから大丈夫」
「私のわがままの為に色んな人に迷惑かけ…って、痛いです、一颯さん!」
左手で軽くゲンコツをされた。
「恵里奈は他人の心配までアレコレし過ぎ。借りは仕事で返しな。ホテルは残業当たり前、公休変更も当たり前、お客様の入り次第なんだから、仕事から離れたら楽しい事だけ考えろ」
「……はい、分かりました」
「分かればよろしい」
シュンとしている私の頭を優しく撫でてくれた。アメとムチ。このギャップにドキドキさせられる。
「今日はどこに連れてってくれるのですか?」
「秘密。その前に寄る所があるから黙って着いてきて」
「………?、分かりました。楽しみにしてます」
「……今日は会議が入ってしまったから、休めなくてごめんな」
「そんな事ないです!私の為に早番にして貰ったりとか色々と根回しして頂き有難う御座います!一颯さんは半休は使えなかったんですね。忙しいですもんね…。明日は休めるのですか?」
「副支配人にお願いして帰ろうと思ってたんだが、役員が来てたからなかなか上がれなかっただけだ。明日は全て任せてきたから大丈夫」
「私のわがままの為に色んな人に迷惑かけ…って、痛いです、一颯さん!」
左手で軽くゲンコツをされた。
「恵里奈は他人の心配までアレコレし過ぎ。借りは仕事で返しな。ホテルは残業当たり前、公休変更も当たり前、お客様の入り次第なんだから、仕事から離れたら楽しい事だけ考えろ」
「……はい、分かりました」
「分かればよろしい」
シュンとしている私の頭を優しく撫でてくれた。アメとムチ。このギャップにドキドキさせられる。
「今日はどこに連れてってくれるのですか?」
「秘密。その前に寄る所があるから黙って着いてきて」
「………?、分かりました。楽しみにしてます」