「仕事がそこそこ出来て一生懸命に取り組んでいるならA判定、仕事以外にもパーフェクトならばS、よっぽどじゃなきゃBやCはつけてない」

「そう言えば、先日、契約更新の評価がありましたよね?高見沢さんが言ってました。私は最終的には何になったのかな?」

「……マル秘だけどA評価」

「わぁ、嬉しい!」

ワクワクしながら聞き、自分で思ってたよりも評価が高かったので素直に嬉しい。

「………細かくはA-3。評価はSからCまであるがそれにも1から3までのレベルがある。Aの中でもA-1が最高評価で恵里奈はA-3だから、つまり上の下」

喜ばしい気持ちを踏みにじるように、一颯さんはシレッとして言った。

「頑張りは認めるが、高見沢レベルには達してない。勝手な事もし過ぎる。お客様のプライベートにも入りすぎる。ルームサービスでも失敗する。フレンチのコースの予約ミスなどが尾を引いている……」

出てくる、出てくる私のミスの数々。

「俺はおまえが恋人だからって評価は甘くしない。次はもっと頑張りなさい。成長が見られなければ、次はB判定だ」

一颯さんは職場に居る時みたいに氷の様な冷たい表情を浮かべる。そうだった、この人は仕事の鬼だった。恋人だろうと誰だろうと公平に判断する。