「……一颯さんがお休みの前の日は今まで通りに泊まりに行きます。お休みが一緒になる日がまたあると良いですね」

「永久に休みたい…」

「それ、どんな我儘ですか!」

明日は一颯さんがお休みで、私も遅番だからマンションにお邪魔しているけれど時刻は既に午前0時を過ぎているのだ。

ソファーに座って団欒している場合ではなく、そろそろ寝なくてはならない。

「一颯さん、もう寝ましょ?」

「俺は明日が休みだからまだ寝ないけど、恵里奈を寝かしつけなきゃね」

「…きゃっ、い、一颯さん!?」

お姫様抱っこをして、ベッドに連れて行かれた。ふんわりと優しく降ろされる。掛け布団をめくりあげ、私を横たわらせた。

まとめていないサラサラの前髪をかきあげ、「恵里奈が寝るまで添い寝する」と言って私の真横にゴロンと寝転がる。腕枕をされて、軽く抱きしめられると一颯さんの心臓の音が聞こえてきた。

「……やっぱり、仕事は明日にしてこのまま寝ちゃおうかな?」

一颯さんはまとめる書類があるらしく、仕事をお持ち帰りしていた。

「……っん、」

私の髪の毛を撫で、頬にキスをした後に一颯さんは唇にキスをした。何も言わずにブラのホックを外し、舌を絡め合うキスをしたままで敏感な部分に触れて刺激を与えられる。

今日は"しない"って決めてたのに雰囲気に流されてしまう。

────行為が終わり、眠りに着く前にボソリと呟いた。

「……相変わらず、一颯さんはSですね」

「そぉ?恵里奈ちゃんにはだいぶ優しくしてると思ってたけど?」

「じ、自覚がないって恐ろしい…」

総合的には優しい一颯さんだけれども、時として優しさの裏返しが現れる時があって、ベッドの中ではSっ気があり意地悪だ。