「海がキラキラ輝いてますね。本当に綺麗で見れて良かったです」

「今度来た時は一緒に夕陽も見よう」

「はい、また来たいです」

「……まぁ、また夕陽は見逃すかもしれないけど」

「…………」

夕陽は見れなかったけれど、朝日を一緒に見れただけで幸せ。

露天風呂からあがると少しだけ眠る事にした。一颯さんは寝坊するかもしれないからと念の為に事前にレイトチェックアウトにしていたらしく、お昼までは客室に居られるらしい。

一颯さんと一緒に居るようになってから、初めて人肌が恋しいと言う言葉が理解出来た。一颯さんと一緒に寝ると安心して良く眠れる。腕枕に頭を乗せて、抱き合って寝た。私が眠るより前に一颯さんの吐息が聞こえた。

仕事で疲れて居たのに私の為に尽くしてくれて有難う御座います。大好き、一颯さん───……

「えーりーな、おーきーてっ!」

ゆさゆさと身体を揺さぶられ、目が覚めた。深い眠りについていたらしく、時刻は11時40分過ぎ。

「な、何で起こしてくれなかったの?」

時計を見て我に返った私は慌てふためく。ボサボサの髪の毛をとかしたり、着替えたり、化粧をしたりと大急ぎで準備をする。