「朝日も見たいですけど……、このまま夜が明けなければ良いのに。そしたら、一颯さんを独り占め出来るのにな」

「今もお互いに独り占めしてるだろ?朝日が見れないのが嫌ならば、それまで起きていれば良いだけの話だ」

一颯さんが体勢を変えて、私を見下ろすように組み敷いた。

「恵里奈、愛している」

深く深く噛み付くようなキスをされ、いつの間にかに浴衣を脱がされて肌が露わになっていた。乱れ過ぎていて、息も絶え絶えで熱過ぎて顔は真っ赤だと思う。

下から一颯さんを見上げると息は乱れているものの、格好良さは変わらない。寧ろ、額が少しだけ汗ばんでいて妖艶さを増している。ヤバイ、一颯さんを見ているだけでキュンキュン来てしまう。身体も心もトロトロに溶かされちゃう。

「お前、抱く度にエロくなって来るな。間違っても、そんな顔を誰にも見せるなよ」

一颯さんとお付き合いする前にも彼氏は居たけれど、こんなに情熱的に抱かれた経験なんて無かった。今思えば、同年代の男の子だったし興味本位からの延長線上の性欲の捌け口に過ぎなかったのかもしれない。お年頃だったせいか回数は多かったかもしれないが、スキンシップは淡白だった。

一颯さんは元彼とは真逆のタイプだ。私に濃密な時間を与え、快楽を教えた。

一颯さんは私を横に寝かせると耳元で「恵里奈は本当に可愛いね」と囁き、耳たぶを甘噛みされた。続いての濃厚なキス。

快感から解放された後は脱力感が半端なかった。私はもう、立ち上がる事も出来ずにシーツにくるまった────……