私も一緒にベッドに入り、一颯さんの隣に横たわる。一緒に居て初めて、ゲームをしているのを見た。普段は忙しそうで自宅ではノートPCで仕事しているから。私が隣に居ても見向きもしなくなった。夜のお誘いを拒んだから?

「一颯さん、一颯さんってば!こっち向いて下さい!」

「な、何だよ、急に」

「一緒に居るのに……そっちを向いてたら悲しいです」

一颯さんが私の方を向いてくれないから、背中をぎゅっと抱きしめる。

「お前ねぇ、人の気も知らないで…」

「拗ねてるの?」

「ばぁーか!恵里奈が嫌だって言ってるのに無理矢理は抱ける訳ないだろ。理性が落ち着くまで放っておいて」

確かに突き放してしまったが本気で嫌だった訳では無い。朝日が見れなくなるのが嫌だっただけ。我儘だと充分に承知しているのだが、一颯さんがこっちを向いてくれなくて背中越しに涙が溢れた。

「…っく、一颯さ、んが…やだった訳じゃないの。一緒に朝日を…見たかったの。…思い、で…作りたかったの…。だから寝なきゃ、って…」

「分かったから泣くな」

やっと私の方を向いてくれて、指で涙を拭ってくれたので、今度は正面から抱き着いた。