「チョコ好きは気付いてましたよ。でも、お酒を飲んだ後も食べたいだなんて、一颯さん、可愛過ぎです!」

「………可愛いだなんて、お前しか言ってくれないよ」

私に優しい笑顔を振りまく一颯さんは、チョコパフェを注文した。旅館のバーだからか、軽いおつまみの他に甘い物も用意出来るらしい。様々な気になる旅館があり、予約するのに迷ったらしいのだ。この旅館を選ぶ決め手となったのが、バーにスイーツがあると知った事だと嬉しそうに言っていた。

ガトーショコラやバナナが乗っているチョコパフェは、見た目もオシャレに盛り付けである。一颯さんが「コーンフレークは嫌い」と言い出して、コーンフレーク抜きのチョコパフェ。バーテンダーさんが気を利かせてくれて、スプーンは2つ用意してくれた。悪ふざけ半分で、酔っている一颯さんの口元にパフェをスプーンですくって差し出す。パクッと抵抗なく口に入れた一颯さん。普段とは違うギャップに悶える私。

「恵里奈にも食べさせてあげる」

スプーンでチョコパフェをすくい、私の口にも入れた。酔っている一颯さん、鬼軍曹のキャラ崩壊してて…可愛すぎて悶絶しちゃう。