「……優しい?」

「はい、とっても」

「そっか、良かったな。一颯君にも本気になれる人が出来たなら祝福するしかないか……」

「えへへ、有難う御座います!」

認めないと言っていた高見沢さんから祝福されるなんて、心が満たされて顔がほころんだ。

「いや、まだ何も言ってないからな!……でも、吉沢の件ではお世話になりました。ありがとな!」

素直な対応をし、少しだけ照れている高見沢さんが珍しい。私は吉沢さんから頂いたお菓子のお礼を高見沢さんにも伝えたら、更に照れていた。そんな高見沢さんは何だか可愛かった。

「連休の件、彼氏の予定が立ち次第、組ませてもらうから。二月はオフシーズンだから、それで良かったら大丈夫だよ」

「有難う御座います!よろしくお願いします」

高見沢さんが超絶優しい。吉沢さんパワーで私の前でもニコニコしている。決して営業スマイルの分類なんかではなくて、真の微笑みなのだろう。一颯さんとの事も認めてくれたのか、それとも一颯さんの願い事だからか、連休の事はきちんと考えてくれている。

「連休はあげるけどね、二人の関係を認めた訳じゃないからね!失格と思えば、あんたをいつでも引き剥がしてやるから!」

やっぱりね、そうなりますよね……。高見沢さんの笑顔は消えて、私に向けてビシッと言い切った。

「………なーんてね。あんたを好きになった理由、何となくなら理解出来そうだから、今のところは見守るよ」

意地悪そうに小悪魔っぽく笑った後、見守ると言ってくれた。一颯さんは高根沢さんにとっても大切な存在。大切な人の足枷にならない様に、相応しくなれる様に精一杯努力します。

同じ部署の上司を味方につけ、更には上司の秘密の社内恋愛にも参入し、お互いに秘密を握る事になった。

今後はお互いに良き相談相手になるでしょう。秘密の社内恋愛を知る者同士は信頼関係が必須?……だと思う。