「熱を出しても彼氏は来てくれない、心配もしてくれない。……これでやっと踏ん切りがついたの。彼氏にしがみつくのはやめようって……。拓斗とは付き合っている訳じゃないけど、彼氏候補として接してみようかな?って思ってる。彼氏と居るよりも、居心地も良いしね!」

「高見沢さんは口は悪いけど、良い人ですもんね」

「そうなんだよー、拓斗は性格は悪いけど、顔は好みなんだよ」

「性格は悪いとは言ってませんよ?」

「あはは、そっかー」

すっかり元気になった吉沢さんは楽しそうに笑う。高見沢さんと吉沢さんは美男美女だから、並んだら絵になるんだよね。二人が幸せになれる様に応援したい!

私達はそれぞれの職場に戻った。高見沢さんを見つけた瞬間に口元が緩んでしまう。吉沢さんから聞いた件について、おめでとうと言いたい。高見沢さんが病院の付き添いに行く為に急遽の有給を取り、その次の日は私が公休日、またその次の日は高見沢さんの公休日だったので、高見沢さんにも会えてなかったのだ。吉沢さんが状況を話してくれて嬉しい。

「遅刻しといて、何ニヤニヤしてるんだ!」

「出勤は時間内に押しました!吉沢さんと話していたんですっ。高見沢さん、おめでとうございます!」

「……っるさい、余計なお世話!まだ付き合ってないし!それより、彼氏と休みが一緒だったんでしょ?どこかに出かけて来たの?」

「……えっと、休みの日はドライブしてから夜御飯を食べに行きました」


詳しくは休みの前日にお泊まりして、沢山たくさんイチャイチャして、起きたら昼頃になってしまい、朝昼一緒の御飯を食べてドライブして、夜御飯を食べに行って、またイチャイチャして……夜更かししてしまって寝不足だった。思い出すだけでも、濃厚で幸せな一日だった。