「こ、琴音。声大きい………」

「はあ!?怪我人が言うセリフ!?」

「うっ、ゴメンなさい」



肝っ玉母ちゃん気質の琴音が爆発中。

わたしがなにか言い返したら全部論破されそう。



「ひななん。たぶん捻挫。保健室だねー」

「えっ、骨折れてないの!?こんなに痛いのに!?」

「………あのね、ひななん。骨折れてたら話す余裕ないよ?」



なぎちゃんが、呆れてる。

ちょっと恥ずかしい。



「先生、わたしたち連れて行きます」



琴音が凛とした声で先生に告げる。

先生も止める理由なんてないから、お願いなってそう言って、野次馬になったみんなを元の授業へと戻す────はずだった。






「青木、森!ごめん、雛は俺が連れてく」




■□■




「バカ!飛鳥バカ!降ろしてよ!」


「うるせえよ!バタバタすんなよ、バカ雛!」