村田さんと野宮さんのペアが同じチームの一年生からバトンをもらって私と持田さんに繋ぎ、私たちが三年生のペアにバトンを繋ぐことになっている。

私たちのチームの一年生ペアは順調にスタートを切って、高順位のままにバトンを繋いでいく。

村田さんたちの前の一年生ペアもよく練習してきたのか、息ぴったりだった。

好調な走りで、三位のペアに随分と差をつけて二位で走ってくる。


「村田さん!」

野宮さんが乱暴にそう呼んで、一年生ペアからバトンを受け取ったばかりの村田さんを半ば引っ張るようにして走り出す。

半歩出遅れた形で走り出した村田さんと野宮さんのペアは、観客の誰もが気付くくらい足並みがズレていた。

後半はほとんど練習しなかったけれど、練習していたときだってここまでひどくなかったと思うくらい、ふたりの歩調はバラバラだ。

苦い表情を浮かべる私の横で、持田さんが無表情で私たちの足首をたすきで結ぶ。