「ありがとうございます。大丈夫です」

私は口角だけを引き上げて愛想笑いを浮かべると、軽く会釈して自分のグループのメンバーを探した。

少しあたりを見渡すと、なぜか一番最初に星野くんの姿を見つけてしまう。

他の男子メンバーと一緒にバーベキューの火を起こし始めている星野くんのそばで、村田さんがにこにこしながら彼のことを見守っていた。


星野くんと村田さんは付き合っているわけではない。

それに、星野くんに嫌われていたことがわかったときから、彼への恋心は捨てたのだ。


それなのに……

楽しそうに話している星野くんと村田さんの姿を遠目に見ただけで、憂鬱で落ち込んだ気持ちになる。

どうして同じグループなんだろう。

せめてグループが違えば、こんなにも憂鬱な気持ちにならなかったかもしれないのに。


いっそのこと、このまま眺めるだけにして、グループに加わるのはやめておこうか……

そんなふうに考え始めていたとき、星野くんと談笑していた村田さんが不意にこっちに視線を向けた。


偶然にも目が合うと、彼女が人懐っこく私に笑いかけてくる。

そして、私を呼びながら大きく手を振ってきた。