森ちゃんとのメッセージのやりとりに苦笑いを浮かべていたら、最後に彼女がとても嬉しい言葉をくれた。


『あと、バレー部にも復帰したよ。友ちゃんが休部扱いにしといてくれたおかげ』

ハート付きのありがとうのスタンプと一緒に送られてきた言葉に、自分のしたことが『間違ってなかった』と評価されたみたいで、すごく嬉しかった。


森ちゃんからのメッセージを思い出してニヤニヤしながら、ずっと弄っていたチョコの箱を開封する。


「それ、そんなに美味いの?」

私のニヤケ顔の原因がチョコレートだと思ったらしい星野くんが、急に横から覗き込んできたからびっくりした。

確かにこのチョコは美味しいんだけど。

それを見てにやけてたと思われたなら食いしん坊みたいで恥ずかしいし。それに、なんか星野くんの距離がさっきまでよりもさらに近い。

そういえば、昨日一緒に帰ったときの別れ際も、昼休みに中庭でデザートのプリンをひと口あげたときも、今と同じくらいに近かった。

あんまり近付かれたら、なんか星野くんからいい匂いしてきてクラクラするし。心臓はドキドキするし。

どうしたらいいかわからなくて、つい顔を背けてしまうのだけど。