「前みたいに絡まれてたら心配だし?」
「お前ら、うるさい」
揶揄うように笑う石塚くんと槙野くんを、星野くんが不機嫌な顔で制する。
「え、何?カナキとミタニン、何かあるの?」
「ねぇよ!」
男子三人の会話に、岸本さんが興味深げに横から割り込んでくる。
当然だけど、それを否定する不機嫌な星野くんの声が私の胸をチクチクと刺してきた。
星野くんの言うとおり何かあるはずなんてないし、彼の私への嫌悪感がひっくり返ることもない。
少し優しくしてくれたって、それは私への好意なんかじゃないんだ。
ほんとうに。星野くんの近くにいたら、気持ちの上げ下げが激しくて全然落ち着かない。