「友ちゃん、やっと戻ってきたー」

「ミタニンがいない間に、わかんないとこが山盛り出てきちゃったよ」

教室に戻ると、ふたりして机に伏せてだらけていた村田さんと岸本さんが一斉に顔を上げた。


「ご、ごめんね」

「それより深谷、ジュースは?」

相変わらずダレたままの槙野くんが、私の顔を見るなりジュースを要求して手を伸ばしてくる。


「ん。お前ら、勉強進んでんの?」

一緒に教室に戻ってきた星野くんが、石塚くんと槙野くんにそれぞれジュースを投げ渡す。

それから続けて星野くんが村田さんと岸本さんの机にイチゴミルクとミルクティーを載せると、その様子を不思議そうに見ていた石塚くんと槙野くんが同時に顔を見合わせた。

そうして意味ありげに笑い合うと、ふたりして星野くんのほうに顔を戻してニヤニヤとする。


「カナキ、突然出てってなかなか戻ってこねぇと思ったら、深谷と一緒だったんだ?」

「だったら何?」