「どーもー!Panthera tigrisでしたぁ」

ボーカルの男の人が手をふりながらステージの裏に消えていく。
その男の人がいなくなって
ほかのメンバーもあっとゆーまにいなくなってしまった。

「・・・・・・・・・・。」

5年前はギュウギュウに押しつぶされても先頭でライブをみる事が出来たのに
2年前にメジャーデビューしたPanthera tigrisのコンサートやライブは
もう遠くでしか見れなくなったしまった。

「悲しすぎるーーー(泣)」
「しょうがないじゃーん。もーPanthera tigrisもメジャーデビューしちゃったんだし、地元でたまにやるライブに来れるだけラッキーだって思わなきゃなねー」
「・・・そーなんだけどさあー。」

リカが渡してきたドリンクを飲みながら、ボーッと考えてしまう。
あたしは5年前からのファンになって、CDとかも全部買ったし出待ちとかもしたし、

Panthera tigrisに関しての知識はそこらへんのファンよりもあると思う・・・
けど、実際少しでも近くで見たいって思って地元でこっそりやるライブに前日から並んでも、
熱狂的なファンをもつPanthera tigrisのライブは最前列でみる事ができなくなってしまった。
応援してたバンドが有名になるってゆーのは本当に本当に嬉しいんだけど、
ちょっと寂しい気持ちもある。

「・・・・バラのプレゼントの事なんて、ヒロ忘れてるんだろうな・・・」
「え?なに?」

ライブの帰りにボソッとつぶやいたあたしの言葉にリカが反応した。