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「いらっしゃいメディさん。ようこそ《レクエルド》へ」
数日後のディナータイム。
“約束通り証拠を掴んだ”と告げ、貸し切りの店にメディさんを招待した。疑いながらも誘いに乗ってくれた彼女は、眉を潜めてレストランの扉を開く。
髪を編み込んでメイクをした姿は、あの日泣いてボロボロだった彼女とは別人のようだ。
「カウンターへどうぞ!席までは僕がご案内するね」
可愛らしい笑みを浮かべて席にエスコートするケット。キッチンから顔を出したヴァルトさんは薔薇色の瞳を緩やかに細める。
「今夜はありがとう。ミレーナちゃんから話は聞いていたけど、美しいお客さんにご来店頂けて嬉しいよ。君のためにディナーを用意して待ってたんだ」
「それは嬉しいわ。でも、私には心に決めた人がいるの。口説くなら別の人にしてね」
「はは。手厳しいな〜」
砂を吐くほど甘い台詞を軽く受け流したメディさんは、店内を見渡した。