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「どうだ、ミレーナ。今日一日で収穫はあったか?」
すっかり日が落ち、時計は十九時を回っている。
レストランへの帰り道で、そう尋ねたルキに笑顔で返した。
「バッチリです。やはり、“スイーツ”は繁盛に欠かせないメニューだと思いました」
「スイーツ?」
「はい。目を惹く盛り付けは写真映えしますし、なんといっても子どもから大人まで好きでしょう?なので、昼間はスイーツをメインにしたカフェ事業を展開しようと思います」
さまざまな飲食店を回り、ヴァルトさんの本格的なコース料理や豪華なディナーの良さを邪魔せず、老若男女に需要があるのはカフェであるという結論に至った。
《レクエルド》の落ち着いた雰囲気は気軽なお茶会にぴったりで、華やかなスイーツを売ればカップルや子ども連れの集客も見込める。
それに、なんと言っても若者の発信力は大きい。“映え”の影響力でSNSを通じて広まれば、宣伝効果は抜群だ。
「なので、できればカフェ営業のためのキッチン要員を探したいです。さすがに、ヴァルトさんにフルで働いてもらうわけにはいきませんし、スイーツ作りに特化した方がいればメニューの幅も広がります」
「なるほど。ローウィンに調べさせよう」