なんで!?まだオープンもしていないのに。


画面をスクロールしてコメントを読むと、その理由がわかった。


『何このイケメン!?これが店主なの』

『背景は合成?めちゃくちゃ綺麗』

『本当に魔王みたい!魔界レストラン面白そう』


バズってる…!魔王様がバズってる!!


つい、言葉を失う私。

その時、列車の手配を終えたルキが帰ってきた。

ケットとヴァルトさんの興奮ぶりと石のように動かない私を見て、パソコンを覗き込む。


「ん?これは俺か?ケット、お前の仕業だな」

「ご、ごめんなさい!ミレーナからもらったデータの中にご主人様がいたから、つい!ダメでした…?」


お叱りの気配に、びくっ!と体を震わせるケット。

しかし、満面の笑みの私が眉を寄せるルキを止める。


「ダメじゃないダメじゃない!むしろ良くやってくれた!えらいよケット!」

「ふぇ…?」


気付かなかった。魔界のイケメンにはこういう使い方があったんだ。

ここまでの反響は想定外だったが、これをきっかけにレストランに興味を持ってくれる人が増えるのは嬉しい。


これはいける…!!


「ケット、続けて投稿してくれる?“店への案内役は黒猫のボーイにお任せあれ”、“ヴァンパイアシェフが腕によりをかけておもてなしします”って」

「ミレーナちゃん、まさか俺も載せるつもりかい?」