「で、お前は一体どうやってレストランの再建をするつもりなんだ?ノープランだなんて言い出すつもりじゃないだろうな」
「まさか。ちゃんと策はありますよ」
私は、鞄の中にしまっていたカメラを掲げてみせた。
眉を寄せる彼は、怪訝そうな表情をしている。
「これが私の武器なんです。魂を込めて写真を撮って、《レクエルド》の魅力を最大限引き出してしてみせます。インターネットのブログサイトにアカウントを立ち上げて、そこからたくさんの人に発信しましょう」
「宣伝ということか?」
「正解です。ルキ、よく聞いてください。繁盛への近道はズバリ“映え”ですよ!」
「ばえ?」
首を傾げるルキと口角を上げる私。
やるしかない。この異世界で、魔界レストランをバズらせてみせる。
そして約束の半年後。役人達がぐぅの音も出ないほど繁盛させて、お客さんの笑顔溢れる店を作るんだ。
出会うはずのなかった二人の道が交わり、運命の歯車が動き出す。
こうして、転生少女の立ち退き撤回奮闘記の幕が上がったのだ。