「「「ごめんなさい...。」」」
1人が頭を下げれば、他の子も続けて頭を下げる。
「え、いや、謝らないで!」
実は子どもが苦手な私があたふたしていると、王子様がスッと間に入ってくれた。
「簡単に頭を下げるな。俺が遊ぶことを承諾したんだからお前達は悪くないだろ?ほら、何をする?」
「お兄さん...!」
優しい声で子ども達の相手をする王子様。
子ども好きな一面もあったんだ...。
いや、それもあるけど、この人は何よりも国民を大切に思っているんだろう。
嬉しそうな子ども達を見て、なんだか私まで嬉しくなってくる。
それにしても、王子様はまだまだ帰る気ゼロだな。
私はフフッと笑って、団服のポケットから小さな通信機を取り出した。
これは、特殊護衛団だけが持つことを許されている超精密通信機だ。
触るだけで同じ端末を持つ相手と会話をすることができる。
さっきまでは気が動転していたため、この通信機の存在を忘れていた。
今さらだけど報告を入れておこう。