「あー、もう!さっきから聞いていれば女、女って!私は騎士です!王家を護ることが仕事なの!!」



爆発した感情のままに、そう言い切って俺を睨みつけてくる女。


あまりにも突然な出来事に、俺は声を出すことも出来ずにただ女を見つめる。



「私は、何があっても必ずあなたのことを護ってみせます!それだけは約束できる!だから...だから私に、あなたを護らせてください!」



そう言った女は、俺を睨みつけたまま勢いよく敬礼の形をとった。


なんという瞳だ。


燃えるような強い意志が込められたそれに、思わず圧倒されてしまう。


何があっても必ず護ってみせる....か。


その言葉を信用することは出来ないが、少しだけこの女をおもしろいと思った。



「フッ....変なやつ。勝手にしろ。」



どこまで本気か知らないが、飽きるまでは付き合ってやってもいい。



「ありがとうございます!!」



自分でも無意識のうちに小さく微笑めば、女は表情を一転させて目を輝かせる。



「うるさい。」



...なんて真っ直ぐなやつだ。


濁りきった自分とは正反対の眩しい女。


こいつと居れば、俺も少しは変わることが出来るのだろうか。


そんなバカバカしい事を考えてしまうほど、俺にとってこの女は衝撃的だった。


とにもかくにも、こうしてリオという女騎士は俺の専属護衛騎士となったのだった。