「ッッ...!」



その瞬間、私の中で何かが変わったのが分かった。


なんだか、ロイド様に仕えようと決めたあの日と似たような感覚。


...ああ、そうだ。


これはきっと、忠誠心だ。


最初はただロイド様に頼まれたからという理由で専属護衛騎士になったけど、今は違う。


私の意思で、王子様の専属護衛騎士でありたいと思える。


私の能力全てをこの人の為に使いたいと、心から思えるんだ。



「...王子様。」


「なんだ。」


「私は、あなたの専属護衛騎士です。」


「...?知っている。それがどうした。」



突然の私の自己紹介に、王子様は怪訝そうな表情を浮かべる。


それでも私はどうしても言葉にしておきたかった。



「私は、必ずあなたを護りますから。」



何があっても、必ず。



「...そうか。」


「はい!」



王子様は相変わらずなんの興味も無さそうだけど、私はニッコリと笑って見せた。



「では、失礼します。」



そして、深く頭を下げて王子様の部屋を出た。





.










「ハッ.....口だけならなんとでも言える.....。」



王子様の、苦しそうな呟きには気づかずに。