小さい時、お父さんに連れられて
甲子園を見に行ったことがある。



炎天下のグラウンドで、投げて、打って、走って。



こんなにも面白くて
こんなにも人を感動させる。



こんな楽しいスポーツがあるのか、と思った。





その時からどんどん野球にハマっていって、
野球の漫画はほぼコンプリート。



もちろん少年野球のチームに入って、内野を守っていた。





……高校に、上がるまでは。







「 おーい紀国! タオルあと1枚ー! 」



「 はい! ただいまー! 」







おっかしいなあ、全員分渡したはずなんだけどなあ、とブツブツいいながら1枚タオルを渡しに行く。







「 サンキュ! 」



「 はーい! 」







えーと次は、と指を折りながら
次にやらなければならない事をこなしていく。



やり忘れがないように
ミスがないように。



選手として戦っているみんなに、負担はかけられないから。