翼、あなたは今どこに____







「 おまたせ致しました、ミルクティーでございます 」



「 ……あれ?舞衣、ウチら注文したっけ? 」



「 え……? 」







そういえば、まだ注文していない。


メニューをみながらずっと、友達の恋愛話を聞いていたのだから。





ちょっとお、間違いじゃないですか〜?と、友達が店員さんに言っている。



でもなんでミルクティー?
不思議に思って店員さんを見上げる。





すると、そこには。







「 間違いじゃないっすよー、おれからのサービスってやつです 」







自分の目を疑った。



間違いない、この男の子は___







「 つ、ば…………さ? 」







私に翼と呼ばれたその男の子は、
何も変わらない笑顔でニコッと笑った。







「久しぶり、舞衣ちゃん」







言葉にならなかった。



出てくるのは、涙だけだった。



友達は何が起こったのかも分からずに
ただオロオロしている。







「 なんで、泣いてるのかな? 」







ただいま、と言って頭をポンポンしてくる。





なんで泣いてるの、なんて。



そんなの、決まってるじゃない。





___だって私、貴方の事を。







貴方の事を、ずっと、探していたの。







運命の人 / ** END