「宍戸さん、見てよ！俺の起こした事件がまた新聞に載ったよ！！」

うっとりとしたような目で洋一は玲奈に新聞記事を見せた。玲奈は驚きで言いたいことがあったのだが、その口は封じられている。

透から電話がかかってきた時も、玲奈は呻き声しか発することができなかった。その声が透に届いていたかどうかはわからない。

「さて、そろそろ仕事をしないとね」

洋一はそう言い、新聞を置くとベッドルームから出て行く。残された玲奈は、今日も縛り付けられるだけの退屈な一日が始まるとため息をつきたくなった。



透は玲奈の行きそうな場所にひたすら足を運んでいた。県内だけでなく、県外にも車を走らせてみる。

「くそッ！あいつ、帰って来たら思いっきり怒鳴ってやる！！」

日に日に心配ばかりが募り、美咲は精神的に不安定となっている。透は玲奈の顔を思い浮かべては、帰って来た時のことを考えていた。

「倉木のところに行くか……」