バキバキッ…

ボキボキッ…

(注・煎餅を噛み砕く音)


「醤油だな」
と、花伊。

「固い…」
一口噛んで諦めた晶。

「そーいえば、あきさんが頼んでたの買ってきたよ」

ゴソゴソとレジ袋から何かを取り出した結子。

「ひゅうへいへーふ?(修正テープ?)」

煎餅を咥えたまま尋ねる晶。

「え、修正テープだっけ、頼んだの。
何これ…?」

ブツブツ呟きながら首をかしげた結子。

「ユッコ、それテープのり」

横から見ていた花伊が言う。

「あきさんが頼んでたのは?」

「修正テープ」

「これは?」

「テープのりだな」

・ ・ ・ ・ ・

「え~っと、何が違うの?」

煎餅を手に取り、結子はそう言った。

晶は煎餅を咥えたまま動じない。

「だからアレだよ」

こういう時は、必ず晶の代わりに花伊が答える。

「わーにぃが欲していたのは、白い肌で物事を隠蔽(いんぺい)する 修正テープ」

んで、と、そこでテープのりを手に取る。

「これは、バラバラに別れているものたちをひとつにする テープのり」

「何かその説明やだな~w」

「ふぁんふぁひゃはひい(なんかやらしい)」

「わーにぃ、後で自分で買いに行きなー」