すごく申し訳ないことしちゃったと思いながら後ろを振り返るとわたしたちを見ている彼の姿があって、また申し訳なさが募る。

そのことで頭がいっぱいで怒っている海翔くんに気づかなかった。



階段を降りて、海翔くんが向かった先は、資料室と書いてあるけど、いまはたぶん空き教室だ。

たくさんの机が置かれている教室。机の間を通って向かったのはドラマや漫画じゃないのにカーテンの中だった。


窮屈な場所にはクリーム色のカーテンがあって、わたしたちがいるところだけ膨らんでいて不自然だと思う。



強く引っ張られていたヒリヒリする腕を見つめながら「どうしたの……?」と訊ねる。

彼は答えることなくわたしの唇を塞いだ。さっきよりも強く痛く抱きしめられていて、ここは学校だよ?と初めは思ったけど、そんな思考は一瞬で消された。



……頭がクラクラして、息が苦しい。