わたしに抱きついたまま離れないのはさっきから変わらないけど、さっきの熱と夏の暑さが混じりあってわたしの体温は上がったままだ。




「もう……ちゃんと提出しなきゃ先生に怒られるよ?」
「芙結ちゃんとイチャイチャしてたほうがいい」

「じゃあ、わたしは課題やるから離れて?」
「それはいやだ」



よくまわりからお母さんとこどもって言われるけど、本当にその通りで、無気力を超えてわがままなのかもしれない。

眠たそうに目をこすってわたしを見つめるひとみはとろんとして可愛いけど、心を鬼にして声をかける。




「やろう?終わったら海翔くんの好きなことしようよ」
「本当に?じゃあ、めんどくさいけどやる。でもその前にギューってして」



いくら心を鬼にしようとしても上目遣いに負けてしまうわたしと狙ってやっているか否かわからない彼は本当に恋人同士なのだろうか。