「昨日は悪かったよ。あそこまで言うことなかったなって……ごめん」


しおらしく千景くんに頭を下げる水谷くんは、とてつもなく元気がないように見える。


「うん。だけど、2度目はないから」


「ちか……っ!」


水谷くんは感極まった様子で千景くんの手を取った。


「くっつくなよ、暑苦しいだろ」


「許してくれなかったら、どうしようかと……っ」


「わかったから、メソメソすんな」


「だってお前、本気で怒ってたろ? あんなちか初めて見た……」


水谷くんって、こんな感じの人なんだ。


クールで冷たいイメージだったけど、思ったより悪い人じゃないのかも?


苦手には変わりないけど……。


きっと、この人も千景くんのことが大好きなんだ。