「ちか!」


廊下を歩いてたら、バタバタと誰かが走ってきた。


「きゃあああ!」


「水谷様よー!」


周りにいた女子たちの雄叫びで、その人が水谷くんであることを察する。

水谷様……。


うっ、なんだか気まずいな……。


何気なく手を離そうとするとそれも敵わず、瞬時に千景くんに握り返された。