色気を含んだ男の顔をした千景くんに、ドキドキが止まらない。
「わ、わたしは、もう十分なので……っ!」
上がりきった体温を冷まそうと、千景くんから離れて手で顔を仰ぐ。
そんなわたしを見て、千景くんは満足そうに微笑んだ。
手を繋いだまま廊下を歩いていると、色んな人からの視線が突き刺さった。
千景くんの隣にいるのがわたしなんかで、ほんとごめんなさい……。
「手を離してくれないかな?」
「だめ」
何度お願いしても聞き入れてもらえなくて、また撃沈。
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