オレは、みんなが揃うこの空間が好きだ。
みんなの顔を見ると、オレは元気になれる。
今日も一日頑張ろうという気持ちになれる。
……照れくさいから、口には出さないけど。
そうして元気をもらったオレは、今日も学校へ向かった。
学校に行く途中、美しい桜の木の道を通る。
そんな美しい桜は、今にも零れ落ちそうなくらい満開だ。
オレは、そんな美しい桜を眺めながら歩いている。
そんなとき……。
「はーやとっ‼」
やっぱりいつものあいつが後ろから手で肩を軽くポンとたたいて思い切り声をかけてきた。
「何だよ、太一。びっくりするだろ」
「あはは‼ ビックリしたか」
「……」
「なんだよ、隼翔、なんかリアクションしてくれよぉ」
幼なじみの太一。
太一とは幼稚園の頃から一緒だ。
太一は、その頃からこのテンション。
だからか、こいつといると全く飽きない。
本当に面白くて、噛めば噛むほど味が出てくる奴だ。