そして卒業式が終わり、これで本当に高校生活が終わったのだなと思うと寂しさが込み上げてくる。
最後の高校生活ということもあり、みんな友達と写真を撮ったり話し込んだりして、その余韻に浸っていた。
オレとクラスの友達も同様、しばらくその場で余韻に浸った。
その後、オレとクラスの友達は学校を出て遊びに出かけた。
みんなで昼ごはんを食べて思いっきり遊んで、夜になったら夜ごはんを食べて、そうしてあっという間に時間が過ぎていった。
そろそろ帰る時間になっても、みんな別れを惜しんで、なかなか帰ろうとはしなかった。
それでもいつかは帰らなければならない。
別れを惜しみながらも、みんなは「また会おうな」と言って、その場は解散することにした。
余韻が残ったまま家に帰って、母さんと義父さんと姉ちゃんに「ただいま」と言ってから自分の部屋に入り、着替えてから葵の部屋に入った。
「ただいま、葵」
オレは真っ先に葵を抱きしめた。
「おかえり、隼翔」
葵も、ぎゅっとオレに抱きついた。
「あっ、そうだ」
オレは葵からやさしく離れて、手にしていた卒業証書を葵に見せた。