今日、梓に告白されて初めて梓の気持ちを知った。


 梓の気持ちを知ったとき最初に思ったのは太一に申し訳ないという気持ちだった。


 なぜなら太一は、ずっとずっと前から梓のことを好きだったから。


 オレが梓に告白される二週間くらい前に太一は梓に告白をしていた。

 でも太一は梓にフラれてしまった。

 梓にフラれた太一はオレに泣きついてきた。

 オレは太一を必死に慰めた。

 ……でも太一が梓にフラれた原因が、まさか梓がオレのことを……だったからなんて思わなかった。

 もちろん、そんなことは太一には口が裂けても言えない。


 オレは太一の前ではあまり口には出さなかったけど、ずっと太一のことを応援していた。

 なんだかんだ言っても太一と梓はお似合いだと思っていたから。

 それなのに……なんてことだ、太一が傷つき、梓までも……。