「じゃあ、オレたち三人とも大学に進学希望ってことだな」
太一はオレと遼祐にそう言った。
「そうだな」
「じゃあ、高校生活最後の夏休み、思いっきり満喫しないとな」
太一はとても張り切っていた。
「そうだな」
と、遼祐。
「……でも、勉強もしないとな……」
オレは勉強のことを考えると気が重かったからか、ついそんなことを言ってしまった。
「もぉ~、現実を言うなよ、隼翔~」
太一は口をとがらせていた。
「いや……だって……」
オレもできるならそんなことは考えたくない。
でも勉強もしないといけないという現実は確実にオレたちに迫っている。
「まぁ、確かに勉強もしないとな」
遼祐はやさしい表情をしていた。
その表情が、この現実を少しだけ和らげてくれた。
「もぉ~、遼祐まで~。……でもさぁ、せめて今日は勉強のことは忘れて楽しもう
ぜ」
そうだな、太一の言う通りかもしれない。
今日は勉強のことは忘れてもいいよな……。
「そうだな。今日は思いっきり楽しもう」
遼祐の言う通り、今日は思いっきり楽しもうと思った。
そうしてオレたちは、しばらくカフェで雑談した。