「さ、葵、絶叫マシンに乗りに行きましょ」
「そんなぁ、梓~、おいて行くなよぉ~」
太一はそう言いながら葵を絶叫マシン乗り場に連れて行く梓の後ろをただただついて行った。
「相変わらずだな、太一は」
なんだかんだ言いながら結局は仲が良い太一と梓の様子を見て遼祐は微笑んでいた。
葵と太一と梓が絶叫マシンに乗りに行っている間、オレと遼祐はベンチに座って話をしていた。
いろいろな話をしていたのだけど……。
「そういえば隼翔と葵くんは本当に仲が良いな」
遼祐は突然そういう話をした。
「まぁ、一般的な兄弟よりも仲が良いのかもな」
仲が良いもなにも……葵とは恋人同士……ということは遼祐にも言えない……。
「そうだよ、隼翔と葵くんは、かなり仲が良いと思うよ」
さらに強調して言った、遼祐。
「あと、隼翔もそうかもしれないけど、葵くん。オレの勝手な想像だけど、葵くんにとって隼翔は……特別……な存在なんじゃないかなと思って……」
遼祐……?
遼祐は、どうしてそんなに葵のことを……?