太一と梓のやりとりがあまりにも激し過ぎて……。
葵はその間に行きたいところは決まったのだろうか……。
「オレ、遊園地に行きたい」
葵‼
葵が、ようやく行きたいところを言った。
……あっ……ひょっとして……。
太一と梓のあのやりとりは、葵に行きたいところを言いやすくしてあげるために……。
「おっ、葵、遊園地に決まったか。じゃあ、遊園地に行こう」
太一は葵が行きたいところを言うのを『待ってました‼』というような様子でそう言った。
「梓ちゃん、遼祐さんは……?」
葵は梓と遼祐の方を見た。
「私もいいわよ」
笑顔の梓。
「オレもいいよ」
笑顔の遼祐。
「……隼翔兄は……?」
葵はオレの方を見た。
「オレもいいよ」
オレたちの返事を聞いた葵は笑顔になった。
そしてオレたちは遊園地に行くことが決まった。
電車に乗り、遊園地の最寄り駅に着いた。
電車を降りて、そこから十数分歩いた。
そして遊園地に着いた。
「葵、何が乗りたい?」
遊園地の中に入ってすぐに太一は葵にそう訊いた。
「何に乗ろうかな……」
葵は何に乗ろうか迷っていた。
「葵は絶叫マシンは平気なんだよな?」
太一が葵にそう訊いた。