「葵、もしかして遊園地に行きたいんじゃないか」


「えっ……」


「なんとなくそう思ってさ。もしそうなら……」


「でも……」


 葵は遠慮している様子だった。


「ひょっとしてオレに気を遣っているのか」


「えっ……」


「オレが絶叫マシン苦手だから。でもオレのことは気にするな」


「でも……」


 葵……。


 オレは葵が行きたいと思っているところをオレの方から話を出せば葵も言いやすくなるのではないかと思ったけど、これが逆に葵のことを困らせるようなことになってしまった。

 そう思っていたそのとき……。