「うん、覚えてる。理久、懐かしいね」
「だろ、懐かしいよな。オレと葵が小学生の頃、よく遊んだよな」
「うん、よく遊んだね」
「理久、今年の四月から中学生になったから、葵は学校でまた理久と会うんじゃないか」
「そうだね」
「理久くん、私も会ったことはあるけど、一緒に遊んだことはないかな」
姉ちゃんと理久は年齢が離れていることもあって遊ぶ機会はなかった。
「そういえばそうだよな。姉ちゃんは梓と遊んだことはあるけど、理久とは遊んだことなかったかもな」
「理久くんって、今年の四月から中学生なんだね。じゃあ、だいぶ大きくなってるんじゃない? 私が初めて理久くんと会ったときなんて、まだこんなに小さかったもの」
「そうだよな。姉ちゃんが初めて理久と会ったときは、それくらいだったよな。あれから随分経ってるから、結構大きくなってるだろうな」
「そうよね。だいぶ大きくなってるだろうから、どこかで理久くんとすれ違っても、理久くんって気が付かないかもしれないわね」
「そうだな」
「……そういえば話は変わるけど、葵は今日どこか行くの?」
……姉ちゃん、本当に話の切り替えがいきなりだな。